山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪~舞鶴1時間短縮、在来線活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?
地方の活性化とコスト削減を狙う中速鉄道の導入が、いよいよ現実味を帯びてきた。航空機や自家用車からのモーダルシフトを促進し、180km/hで運行される新線は、都市圏の通勤圏拡大に寄与し、インバウンド需要にも対応。新幹線の代替として、地域経済の発展を加速する可能性を秘めている。
通勤圏拡大にも貢献

180km特急による時間短縮効果は驚異的だが、快速列車による通勤圏拡大効果も大きい。快速列車は従来どおり、最高時速130kmで運行されるが、それでも大阪~亀岡間は31分、大阪~園部間は47分に短縮される。JR宝塚線の大阪~新三田間が43分で、線形がよい新線に切り替わったことで実現したことを考えると、十分に通勤圏として成立するだろう。これにより、園部~亀岡間は現在のように特急以外で1時間に1本か2本という本数ではなく、都市圏並みの毎時4本程度が走る路線になるだろう。
大阪行きと京都行きの快速を交互に運行し、京都行きは亀岡で関空快速に接続するようなダイヤも考えられる。京都行き快速を増発するために、普通列車の半数は嵯峨嵐山折り返しとし、代わりに快速は馬堀駅に停める形で増発を実現できるだろう。
また、建設中のなにわ筋線に線路が繋がるため、特急「はるか」だけでなく、関空快速の乗り入れも考えられる。大阪市都市計画局によると、なにわ筋線開業後、関空快速が毎時4本、南海の急行が毎時4本乗り入れる予定だ。阪急によれば、南海急行のうち毎時6本を阪急新大阪行きに変更したいと考えている。そのため、残りの2本の関空快速を亀岡まで延ばすことができる。これにより、一般列車による関空アクセスが向上し、大阪ミナミへも便利に出られる路線が実現する。亀岡~JR難波間は42分、亀岡~天王寺間は49分となる。
関空快速は天王寺で大和路線の普通列車に同一ホーム接続するダイヤとなっており、大和路線沿線から亀岡の京セラサンガスタジアムへの観戦利用にも便利になる。大阪発着の快速は茨木でJR京都線の快速と同一ホーム接続される予定で、亀岡から尼崎、芦屋、三ノ宮、神戸へも出やすくなる。亀岡~三ノ宮間は1時間1分になる見通しだ。