山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪~舞鶴1時間短縮、在来線活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?

キーワード :
, ,
地方の活性化とコスト削減を狙う中速鉄道の導入が、いよいよ現実味を帯びてきた。航空機や自家用車からのモーダルシフトを促進し、180km/hで運行される新線は、都市圏の通勤圏拡大に寄与し、インバウンド需要にも対応。新幹線の代替として、地域経済の発展を加速する可能性を秘めている。

わずか56kmの新線で1時間短縮

綾部~園部間新線ルート図(画像:北村幸太郎)
綾部~園部間新線ルート図(画像:北村幸太郎)

 在来線車両でどこまで速度を上げられるか。『幹線鉄道ネットワーク等のあり方に関する調査』2020年度によると、新幹線のような新線なら、JRの狭軌の線路でも200km/hで走行可能だとされている。これに少し余裕を持たせ、秒速50mで計算しやすい180km/hの運転を目指す。

 綾部~園部間と亀岡~茨木間の新線区間で、特急を180km/hで走らせれば、わずか56kmの新線整備で最大1時間の時間短縮ができる。整備前後の比較は次のとおりだ。

 綾部~園部間は、現行42kmで35分かかる。新線なら32.5kmで13分となり、22分の時間短縮が実現する。園部~亀岡間は、速度向上により1分短縮し、所要時間は10分になる。亀岡~新大阪間は、現行59.2kmで53分かかる。新線なら、亀岡~茨木間23.8kmを180km/hで9分、茨木~新大阪間10.8kmを130km/hで6分かかる。130km/h運転はJR京都線の新快速ルートを活用し、途中減速を合わせて計34.6kmで16分となる。これで37分の時間短縮が実現する。

 これにより、綾部~新大阪間は、途中停車時間を含めて最速41分となり、1時間短縮される。1時間もの短縮は新幹線でないと難しいが、山陰線の線形だからこその効果だ。その他の主な区間の特急の所要時間は次の通りになる見込みだ。

 新大阪~亀岡間は16分、新大阪~園部間は27分、新大阪~西舞鶴間は1時間ちょうどとなる。

全てのコメントを見る