山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪~舞鶴1時間短縮、在来線活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?
地方の活性化とコスト削減を狙う中速鉄道の導入が、いよいよ現実味を帯びてきた。航空機や自家用車からのモーダルシフトを促進し、180km/hで運行される新線は、都市圏の通勤圏拡大に寄与し、インバウンド需要にも対応。新幹線の代替として、地域経済の発展を加速する可能性を秘めている。
大阪に出にくい山陰線沿線

山陰線には、短絡ルートを少し作るだけで新幹線に近い時間短縮が可能な区間がある。大阪を起点に、JR京都線の茨木から嵯峨野線(山陰線)の亀岡までの区間と、長らく複線化が求められている山陰線の綾部~園部間だ。
山陰新幹線の代替案として、次の三つの提案がある。
・亀岡から東海道線の茨木駅までを結ぶ23.8kmの高速新線を整備する。途中駅も設けて、通勤新線としても活用できるようにし、大阪周辺の自治体にも恩恵をもたらす。
・綾部~園部間に32.5kmの「新幹線規格新線」を整備する。これにより複線化し、既存の単線と合わせて3線化を実現する。
・茨木から貨物線分岐部までの2kmを線増する。
これらを実施すれば、福知山、舞鶴、綾部から大阪だけでなく、関空にも直通できるようになる。かつて、北陸新幹線小浜・舞鶴ルートを推進していた西田昌司参議院議員が持っていた構想も、これで実現可能となる。
茨木から貨物線につながれば、うめきた大阪駅と建設中の「なにわ筋線」を経由して関空に達することができる。さらに、快速列車が乗り入れれば、亀岡~園部間は大阪の通勤圏にもなり得る。この区間は、新幹線では実現できない効果を生み出す可能性が大きい。