山陰新幹線、ついに現実路線へ? 中速鉄道の夜明け! 新大阪~舞鶴1時間短縮、在来線活用と新線建設のハイブリッド、この鉄道でなぜ地域は活性化するのか?

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地方の活性化とコスト削減を狙う中速鉄道の導入が、いよいよ現実味を帯びてきた。航空機や自家用車からのモーダルシフトを促進し、180km/hで運行される新線は、都市圏の通勤圏拡大に寄与し、インバウンド需要にも対応。新幹線の代替として、地域経済の発展を加速する可能性を秘めている。

新線部分56.3kmの事業費

山陰新線乗り入れ。園部駅・亀岡駅部配線図(画像:北村幸太郎)
山陰新線乗り入れ。園部駅・亀岡駅部配線図(画像:北村幸太郎)

 中速鉄道は安価だと言われても、実際にはどれほどの費用がかかるのだろうか。新幹線と在来線では断面積に違いがあるが、工費に大きな差が出るかと言うと微妙だ。そこで、近年開業した新幹線のキロ単価を見てみよう。

 北陸新幹線敦賀開業時はキロあたり146.4億円、北海道新幹線札幌延伸はキロあたり109.2億円、西九州新幹線はキロあたり92.5億円だった。

 これらの例から、概ねキロあたり100億円として計算するのが妥当だ。新線区間が56.3kmなら、工費は約5630億円となる。もしフル規格で建設する場合、園部~亀岡間の14km分で1400億円、茨木~新大阪間の都市部10kmでは5000億円がかかると予想される。

 新大阪~綾部間の建設費は1.2兆円となる。つまり、在来線を活用しつつ新線を一部作る中速鉄道なら、約半分の費用で済む。しかも1時間の短縮が可能だ。

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