ボーイングvsエアバス 中東・カタール航空を巡り、「仁義なき戦い」が起きていた!
カタール航空がボーイング社とジェット貨物機および旅客機の購入について契約を交わした。ボーイング社のB737MAX10の登場により競争が激化している。
B737MAX10の登場で競争激化

ボーイング社は、2021年12月期決算で純損益が42.9億ドルの赤字となった。3年連続で赤字を記録したことになる。
赤字の要因は、
・新型コロナによる航空需要の減少
・B787の出荷遅れ
・B737MAXの生産停止
である。
業績回復に向けて、B737MAXシリーズに対する期待は大きく、現在月産26機の生産レートを、2022年前半には月産31機に引き上げるとしている。
日本航空機開発協会の「サイズ別ジェット旅客機運行機数および需要予測」において、B737MAX10とA321neoは、2番目に需要が多いクラス(170~229席)で競合している。だからこそ、スペック的にA321neoにより近づいたB737MAX10投入の意義は、ボーイング社にとって非常に大きいと思われる。
とはいえ、B737MAX10が受注合戦に加わったものの、いまだ初号機すら納入されておらず、具体的なスケジュールも見通せていない。
一方、エアバス社も機種が異なるとはいえ、A350に端を発した塗装問題がどのように展開するのか不透明な部分を残している。
このような状況下で、新参者のB737MAX10と、2016年から運行を開始し実績を積み上げてきたA321neoの受注合戦が、どのように進展するのか興味は尽きない。