京都市バス、運賃支払い時間「80%短縮」を実現! 快適さ向上で「バスって楽しい」と思える時代は到来するのか?
路線バス業界では、UXデザインがドライバー不足や利用者の快適さ向上に重要な役割を果たしている。例えば、京都市では「つり銭方式」によって運賃支払いの時間が80%短縮され、双方の負担が軽減された。UXデザインは、公共交通の持続可能性を高め、実用的で満足度の高い体験を提供するための重要な要素となっている。
機械と人間の相性が生む快適体験

日常的に路線バスを利用していると、使いにくさや快適さに欠ける瞬間に遭遇することがある。例えば、
・乗降時の扉周り
・運賃支払機
・整理券発行機
・シート
・冷房の通風口
・降車ボタン
など、利用者が関与する場面は多岐にわたる。これらはすべて「マン・マシンインターフェース」に関連する部分である。
マン・マシンインターフェースとは、人間(ユーザー)と機械(システム)との相互作用を指し、ユーザーが機械を操作したり、機械から情報を受け取ったりする際の接点(インターフェース)の設計や、その使いやすさに関する考え方である。インターフェースが適切に機能しない場合、利用者の快適性が損なわれ、利用体験が悪化する。
従来、機械と人間の相性を向上させるため、インターフェースデザインの研究が進められてきた。自動車メーカーにもインターフェースデザイナーが存在する。
しかし、近年では単なる相性の向上にとどまらず、ユーザーが製品やサービスを利用することで幸福感を得られるよう、よりよい体験を提供する
「ユーザーエクスペリエンス(UX)」
への関心が高まっている。このUXの考え方は、路線バスの持続可能性を検討する上でも重要な要素となる。