京都市バス、運賃支払い時間「80%短縮」を実現! 快適さ向上で「バスって楽しい」と思える時代は到来するのか?

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路線バス業界では、UXデザインがドライバー不足や利用者の快適さ向上に重要な役割を果たしている。例えば、京都市では「つり銭方式」によって運賃支払いの時間が80%短縮され、双方の負担が軽減された。UXデザインは、公共交通の持続可能性を高め、実用的で満足度の高い体験を提供するための重要な要素となっている。

ドライバー異常時、バス停止の仕組み

ドライバー異常時対応システム(画像:国土交通省)
ドライバー異常時対応システム(画像:国土交通省)

 筆者は、ワンマン運転の路線バスについて、

「万が一ドライバーが体調不良を起こした場合、どのように対応すべきか」

という質問を都市交通の講義でよく受けてきた。体調不良は予測できないものであり、実際に路線バスのドライバーが急に運転できなくなる事例も発生している。

 しかし、乗客が大型二種免許を持っていることはほとんどなく、バスの運転はできない。そのため、万が一運転できないドライバーが現れた場合でも、乗客が安全にバスを停止させることができる装置の導入が必要だという考えに至った。

 現在、多くの新型路線バスには「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」が搭載されている。このシステムは、関係官公庁、バスメーカー、バス事業者が共同で開発し、ドライバーが体調不良や異常を起こした際にバスを安全に停止させる役割を果たす。

 具体的には、ドライバーが意識を失ったり運転が不可能になった場合、バスの運行を自動的に制御したり、乗客が操作できる手段を提供することを目的としている。

 このシステムには、ドライバーが体調不良で運転を続けられなくなった場合でも、安全にバスを停止させることができるという特徴がある。さらに、緊急時には乗客が操作できるスイッチやボタンが設置されており、乗客も安全にバスを停止させることが可能だ。

 また、運転席にもスイッチがあり、ドライバーが異常を感じた場合に自ら緊急停止できる機能が備わっている。このシステムは、ドライバーや乗客の心理的負担を軽減し、万が一の事態に備えるための安全対策としても機能する。

 EDSSは、乗客とドライバーの安全を確保するだけでなく、緊急時に迅速かつ適切に対応できるよう設計されている。

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