移籍トラムの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(16)
路面電車の「移籍トラム」は、新しい場所でも元の個性を残しながら活躍し続けている。広島電鉄や福井鉄道など、移籍した電車がどのように再生され、観光資源として利用されているかを紹介する。歴史ある車両が「里帰り」する例や、移籍先と出身地をつなぐ「動くタイムカプセル」としての役割にも触れており、乗るとその電車の長い旅路に感動すること間違いない。
移籍トラムは「タイムカプセル」

2011(平成23)年に東日本大震災が発生した直後、長崎電気軌道は元仙台市電の車両を使用して「がんばれ!!東北号」を運行した。この取り組みに対して、多くの長崎市民が車内に設置された募金箱に義援金を投じた。また、2022年には京都市交通局が誕生110年を迎え、広島電鉄を走る元京都市電の車両にも記念ヘッドマークが掲出された。
移籍トラムは、その出身地の街の歴史を伝える一種の
「タイムカプセル」
であり、移籍元と移籍先の街をつなぐ「絆の架け橋」ともいえる。もし移籍トラムに出会ったら、車両に残された出身地の面影を探しながら、その電車がたどってきた長い旅路に思いをはせてほしい。
移籍トラムの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない。皆さんが感じる“やばさ”があったらぜひ聞かせてほしい。