移籍トラムの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(16)
路面電車の「移籍トラム」は、新しい場所でも元の個性を残しながら活躍し続けている。広島電鉄や福井鉄道など、移籍した電車がどのように再生され、観光資源として利用されているかを紹介する。歴史ある車両が「里帰り」する例や、移籍先と出身地をつなぐ「動くタイムカプセル」としての役割にも触れており、乗るとその電車の長い旅路に感動すること間違いない。
やばいポイント2「実は兄弟」

かつて同じ町で活躍していた兄弟車両が、路線の廃止などにともない、移籍トラムとして全国各地に散らばった例は少なくない。
例えば、福岡市内線(1979年廃止)などで活躍していた西日本鉄道(福岡県)の連節車は、軌道線(路面電車)の縮小や廃止により、
・広島電鉄/筑豊電鉄(福岡県、西鉄グループ)
・熊本市電(熊本県)
の3社局に譲渡された。それぞれ移籍先で整形された上で活躍している。
また、豊橋鉄道には東京都民にもおなじみの「現役の都電」と同じ顔の電車が走っている。これは、都電荒川線(東京都)の更新7000形(現7700形、一部は2010年代に再更新)の一部車両が譲渡されたものだ。元々同じ顔だった兄弟電車が、移籍先で
「どのように整形されたのか」
を見比べるのも面白い。