JALの中国版? 19兆円の負債を抱えて破綻した「海航集団」の無謀な拡大路線と、その結末
海航集団の崩壊は、中国経済の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにする象徴的な出来事となった。この崩壊の背景には、航空業界の失敗だけでなく、無謀な投資によって事業拡大を目指した複合企業の問題もあった。
日本航空との共通点

海航集団の経営破綻は、比較的安定した環境にあったにもかかわらず、無謀な投資が原因で倒産した点で
「日本航空と共通する部分」
がある。日本航空はバブル期前後に、以前の記事「JAL・ANAの失敗、航空会社の「ホテル経営」はなぜ難しいのか? “放漫経営”と呼ばれた過去を検証する」(2024年8月23日配信)でも触れたエセックスハウスの買収のような無駄な投資が目立ち、経営破綻前から“放漫経営”への批判が絶えなかった。
海航集団は日本航空に比べ、航空会社というよりは“投資家”の側面が強い。しかし、祖業である航空業とは関係の薄い銀行業への投資案件があり、多くの航空会社が撤退したホテル業にも多く投資したりしている。このように、無駄な投資が多い点では日本航空と似たところがあるといえる。
また、中国には着陸料が安いセカンダリー空港(都市圏の基幹空港〈プライマリー空港〉を補完する空港)がほとんど存在せず、民間機が使用できる空域も限られているため、他国に比べて航空会社の運行には厳しい制限が設けられている。
新規参入が難しい一方で、海南航空など早くから運行している企業にとっては競合が少なく、収益が拡大しやすい状況だ。航空運賃や公租公課(国や地方公共団体に納める税金などの総称)の負担の大きさから、新規参入がほとんどなかった日本と似たような状況ともいえる。