公共交通の活用が「マイカー社会」より遥かに安上がりなワケ その上“おまけ”も盛りだくさんだった!
公共交通機関の利用は、ハンドルを握って常に緊張を強いられる自家用車での移動よりも利点が多い。しかし、この事実はまだあまり知られていない。
那覇市「車中心」から転換

では、クルマから公共交通への転換をスムーズに進めていくにはどのような取り組みが求められるだろうか。
まず、自治体が中心となって、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりビジョンを策定することが重要だ。そのビジョンには、鉄道やバスなどの
・公共交通網の再編/強化
・駅周辺への都市機能の集約
・歩行者や自転車利用者に優しい道路環境の整備
など、多岐にわたる施策を盛り込む必要がある。これらは、一朝一夕には進まない。しかし、全国では地域の将来を考えて、マイカーから公共交通への転換を目指す、さまざまな試みが進んでいる。
栃木県宇都宮市で新たに開通した次世代型路面電車(LRT)の中心とした交通網の再編などがそれだ。沖縄県那覇市で計画されているLRT新設計画も、公共交通の利便性を高めることで、誰もが移動しやすい街をつくることを目的としている。
那覇市が進めるLRTの新設計画は、「車中心のまち」から
「人中心のまち」
への転換を図る市の交通まちづくりの一環として位置付けられている。
那覇市交通基本計画では、市民・行政・事業者の協働によるまちづくりと、市民ひとりひとりの意識改革・努力により「人中心のまち」を目指すことを根幹の考え方としている。そして、基本目標に
「誰もが移動しやすいまちをつくる」
を掲げ、その実現に向けた施策のひとつとして「公共交通利用環境の向上・充実」を掲げている。