救急車はもはや“有料化”すべき? 出動件数「過去最高」というハードな現実、賛否渦巻くワケとは

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ひっ迫する救急事情を背景に、「救急車の有料化」に関する議論が続いている。賛否両論うずまく理由は何か。

有料化議論の潮流

救急車(画像:写真AC)
救急車(画像:写真AC)

 ひっ迫する救急事情を背景に、「救急車の有料化」に関する議論が続いている。筆者(伊波幸人、自動車ライター)はインターネット上で独自にアンケートを実施し、次のような意見を得た。

「介護現場で働いているが、救急要請をした際に、救急車が出払ってしまい、すぐに来られない事もある」

 消防庁は2023年7月、「救急業務のあり方に関する検討会」を開催し、救急業務の需要について次のように報告した。

・救急出動件数:約723万件(対前年比16.8%増)
・救急搬送人員:約622万人(対前年比13.3%増)
・現場到着時間:全国平均で9.4分(対前年比0.5分増)
・病院収容所要時間:全国平均で42.8分(対前年比2.2分増)

 救急需要は、

「過去最高の出動件数を記録し、今後も増加が懸念される」

と報告され、同庁も「救急車の適正利用」について警鐘を鳴らしている。なお、「救急車の有料化」については、「賛成」「反対」「条件付きで賛成」の意見が入り乱れている。

 一方、救急車を有料化すると、生活困窮者が救急車の利用をためらい、一部有料化しても、救急の判断が難しいといった懸念もある。救急車を一部有料化する海外で搬送経験のある佐藤さん(仮名)は

「有料化しても大差はない」

と語る。台湾は救急車の一部有料化を決めたが、効果はあったのだろうか。そもそも、日本の政治で議論されているのだろうか。今回は、そんな「救急車の有料化」の現状をリポートする。

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