救急車はもはや“有料化”すべき? 出動件数「過去最高」というハードな現実、賛否渦巻くワケとは
ひっ迫する救急事情を背景に、「救急車の有料化」に関する議論が続いている。賛否両論うずまく理由は何か。
「有料化」に反対する意見

救急車の有料化に反対するアンケートの意見として、
・有料化により、救急車利用を迷い重症化する
・今すぐ治療が必要なのに、有料化はおかしい
などが主な意見であった。また、消防庁の2015年度調査では、一部有料化について、現場では次のような懸念が示されている。
・生活困窮者が救急利用をちゅうちょする
・有料と無料の区別と判断が難しい
・傷病者とのトラブル増加
・料金徴収等の事務負担増加
軽症者の定義と判断の難しさ、また、有料化には「軽症でも搬送対象だから遠くまで運ぶ依頼」や「処置や搬送を優先する希望。訴訟などのリスクがある」とされた。特に、軽症者の判断は、緊急度の判断基準や搬送保留制度はあるものの、最終的には医師が判断すべきとの意見もあった。
一方、前述の佐藤さん(仮名)は、救急車を有料化しても「大差ない」と語る。
「私の体感的・チームとの会話の中では、「総合的には大差ない」というのが正直なところです。というのも、無料の地域でも敗血症の症状が出て自力で移動できなくなるまで呼ばない方もいれば、有料の地域でタクシー代わりや、自力で病院に行ける状態でも呼ばれます。現場で緊急性なしと判断され、自力で病院へ家族の車で行くなんてことも多いです(中略)大抵の場合は、救急車で来ても、トリアージではじかれ待合室で長時間待たされます。(中略)待たされている間に病院を抜け出して帰宅し、再度救急車を呼んだ患者に先輩がおきゅうを据えていたことも……」
実際はどうなのだろうか。救急車の出動要請件数が大幅に増加している台湾では、2012年12月から、乱用と判断されたケースに約6000円を徴収する制度が導入された。