SNSで17万いいね「救急隊に食事の時間を!」 大反響の裏にある、隊員たちの過酷過ぎる労働実態

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2022年7月、さいたま市消防局のツイッターへの投稿が大きな反響を呼んだ。「救急隊に食事の時間を!」。その訴えの裏にある、現場隊員たちの過酷な労働実態とは――?

「コンビニで購入することがあります」

救急車のイメージ(画像:写真AC)
救急車のイメージ(画像:写真AC)

「救急隊に食事の時間を!」――。さいたま市消防局がツイッターに投稿した内容が反響を呼んでいる。

 話題となったのは2022年7月26日(火)に投稿されたツイート。そこでは、呼びかけに続いて、次のように記している。

「救急出場が続くと、救急隊が消防署に帰れない時があります。そんな時は、出場できる体制を取りつつ、救急隊がコンビニ等で飲食物を購入し食事をすることがありますので、ご理解をお願いいたします。」

 ツイートの背景にあるのは、救急車の出動件数が急増し、救急隊員が十分な休息や食事を取ることができていない状況が続いていることだ。

 まだ統計は公開されていないが、6月末からの新型コロナウイルス感染再拡大に加えて、熱中症、暑さによる持病の悪化などで救急車による搬送要請は急増中だという。

 そんなに忙しいのであれば、消防署に帰る途中にコンビニで食べ物を買うこともあるはず。民間企業では当たり前のことだろうが、救急隊員にはそれも容易ではない。救急搬送の帰りに寄り道するだけで、厳しい目を向ける人は耐えない。

 近年話題になったのは同年、大阪市消防局の救急隊員3人が訓告処分を受けた事例だ。