素人考えでたどり着けない物流不動産ビジネス本当の“旨味”【短期連載】素人に倉庫ビジネスは可能か(3)

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「素人に倉庫ビジネスは可能なのか?」第3話は、物流不動産ビジネスに参入する上でのハードルを挙げつつ、物流不動産ビジネスの魅力について考えていこう。

倉庫として魅力のある立地を備えているかどうか?

常磐道 流山IC近くのGLP ALFALINK 流山8。奥に円形のランプウェイが見える(坂田良平撮影)。
常磐道 流山IC近くのGLP ALFALINK 流山8。奥に円形のランプウェイが見える(坂田良平撮影)。

 倉庫にとって、立地は最大のアピールポイントである。極論だが、高速道から2時間も下道を走った人里離れた場所に建つ倉庫にニーズはない。だからと言って、住宅地に倉庫を建てれば、地域住民から反発を買うだけである。

 物流不動産ビジネスの営業は、長らく「立地と賃料で営業が決まる」と言われてきた。

 倉庫とは、輸送元(工場など)と輸送先(工場、小売店、消費者など)をつなぐ途中にあって、保管、流通加工、包装、仕分けなどの業務を行うための施設である、首都圏で言えば、少し郊外の高速ICそばに倉庫が集中しているのは、輸送元、輸送先をつなぐ輸送の利便性を追求した結果なのだ。

 逆に言えば、倉庫として利便性の良い立地は限られており、そういった土地は、物流不動産ビジネスを手掛ける大手ディベロッパーがすでに確保しているケースもある。所有している土地が、たまたま倉庫として適正のある立地であればよいが、そこを外すと極端に倉庫の価値が下がるケースも有り得る。

 なお、本稿では営業倉庫を対象として考えていることを付記しておく。営業倉庫とは、他社の貨物を保管する倉庫業を行うために、国土交通大臣の登録を受けた倉庫を指す。

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