【素人に倉庫ビジネスは可能か?#1】活況の物流不動産ビジネス マーケットはどう成長してきたか

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隣の芝生は青く見えるものである。話題になっているビジネスがあれば、そこに参入したくなる人が現れるのも無理はない。今回は、最近、筆者のもとに寄せられる倉庫ビジネスへの参入について、素人ができるのかを考える。

倉庫ビジネスに参入したいと思う人たち

JR西日本グループが建設中の初となる物流施設「加古川平岡町NKビル」。鉄道会社も倉庫ビジネスに乗り出している(画像:JR西日本不動産開発)。
JR西日本グループが建設中の初となる物流施設「加古川平岡町NKビル」。鉄道会社も倉庫ビジネスに乗り出している(画像:JR西日本不動産開発)。

「土地はあるんだよ。ただ眠らせておくのもなんだから、倉庫とか建てたいんだけど、どうだろう?」──ここ最近、何回かこのようなご相談を頂くことがあった。

 首都圏では、高速道路を少し郊外に向かって走れば、巨大な倉庫・物流センターをいくつも目にする。「こんなに倉庫ばっかり建ててどうするのかね?」と言っていた人も、未だ新しい倉庫が建築されていく様子を見れば、新たな倉庫に需要があることに、容易に気づく。そして、その背景には、ECビジネスの活況があることも、なんとなく分かる。

 こうなると、土地を持っている地主の皆さまは、「もしかして倉庫を建てたら儲かるんじゃないか?」と思い始めるだろう。中にはもう少し積極的に、自らが倉庫のオーナーとして、倉庫ビジネスに参入したいという人、あるいは、資産がある方の中には、土地を購入してでも、倉庫ビジネスに参入したいと考える人も登場してくる。

 結論から言えば、ことはそう簡単ではない。仮に、隣の芝生が青く見えようとも、その影には芝生を青く保つための、不断の努力が隠されているものである。

 今回は3話に分けて、「素人に倉庫ビジネスは可能なのか?」という切り口から、物流不動産ビジネスを門外漢にも分かりやすく説明することを目的としよう。