素人考えでたどり着けない物流不動産ビジネス本当の“旨味”【短期連載】素人に倉庫ビジネスは可能か(3)

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「素人に倉庫ビジネスは可能なのか?」第3話は、物流不動産ビジネスに参入する上でのハードルを挙げつつ、物流不動産ビジネスの魅力について考えていこう。

他の倉庫とは違う、アピールポイントを創出することができるか?

 確かに、300坪、500坪といった土地に建てられた小ぶりな倉庫も世の中には存在するが、第一話で触れたように大型倉庫の方がスケールメリットを出しやすい。現在、物流不動産ビジネスの花道を飾るのは、トラックが階上まで乗り入れられるランプウェイや、複数のテナント入居を可能とするマルチテナント型といったスペックを備えた大型倉庫だ。そして、こういった大型倉庫の建築には、100億円を超える建設費が必要となる。

「ちょっと空いた土地があるから、倉庫でも建ててみようか?」──乱暴な言い方になるが、小金持ちの地主程度では、さまざまな意味で大型化が進む倉庫ビジネスに参入したとしても、競争力のあるスペックを備えた倉庫を建設・提供するのは難しい。

 その一方、最近では「立地と賃料」ではない、プラスアルファの差別化要素をアピールするケースが増えている。

 働く人たちのために、コンビニやカフェ、託児所を併設したり、人材派遣会社や路線便事業者を誘致することで、テナントのビジネスをサポートすることは、最近竣工した倉庫では多く見受けられるようになってきた。

 大和ハウス工業は、バース予約システムなどを展開するスタートアップのhacobuに出資したし、日本GLPも、同じくバース予約システムを展開するモノフルを子会社に持つ。さらに日本GLPは、三井物産、豊田自動織機とともに、倉庫の自動化に向けたプラスオートメーションに出資、日本GLPの施設に入居するテナントに対し、サブスクリプション形式による物流ロボットの提供を開始した。

 第二話で紹介したアライプロバンスは、今年竣工した浦安物流センターのデザインを、建築家・クリエイティブディレクターとして活躍する菅原大輔氏に委ね、グッドデザイン賞の獲得を狙う。これも、働く人たちの就労意欲をかきたてることで、競合との差別化を図る施策である。

 テナント入居を検討するメーカーや物流事業者に刺さる競合施策とは?──当たり前だが、物流の素人にできるのは、せいぜいが他社の猿真似程度で、自らアイデアを創出するのは極めて難しい。

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