BYDが「EVフォークリフト」発表 旧来の鉛蓄電池式がLi-ion電池になるメリットは?
中国系のBYDがEVフォークリフトを発表。EVバスで構築した販売網を活用し、欧州各国に売り込む構えだ。自社製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載しているが、従来の鉛蓄電池式と違い様々なメリットがあるという。
EVバスに続き欧州市場にアピール
BYDフォークリフトヨーロッパは2021年10月、スペイン・マドリッドで開催された青果産業の国際見本市「フルーツアトラクション2021」で、ゼロエミッションのEVフォークリフトを発表した。BYDはスペインや欧州市場に対し、排ガスゼロで資材を運搬できるEVフォークリフトフリートには、多くの運用上のメリットとコスト削減効果があることをアピールした。
BYDのEVフォークリフトは、BYDのパーソナルカーなどにも使われている自社製のリン酸鉄(LFP)リチウムイオンバッテリーを搭載している。業界最長の8年(1万時間)の保証期間が付いており、安全で信頼性の高い長期的なパートナーとなるだろう。
BYDは中国の民営系自動車メーカー大手であり、主に中国市場に向けてプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)を中心に展開するメーカーだが、一方でフルサイズのEVバスにおいては世界的なトップメーカーであり、欧州各国にもすでに数多くのEVバスを提供している。
今回のEVフォークリフトも、すでに構築した商用車販売網を活用し、専門的なサービスとサポートを提供することになる。
またフォークリフトなどの荷役運搬機械は、すでに電動式が数多く流通しているが、従来の鉛蓄電池式が多く、バッテリー容量の制限からくる稼働効率の限界や、希硫酸の液漏れによるバッテリー容量低下も運用上の問題となっている。フォークリフトメーカーがリチウムイオンバッテリーの搭載を急いでいるのはそのためだ。
リチウムイオンバッテリーは、電池容量が大きく稼働時間が長いことや、充電が速いこと、性能低下が相対的に少ないことなどメリットが多く、効率性や運用を考慮すると大きなコスト削減が可能だとBYDは主張する。