素人考えでたどり着けない物流不動産ビジネス本当の“旨味”【短期連載】素人に倉庫ビジネスは可能か(3)
「素人に倉庫ビジネスは可能なのか?」第3話は、物流不動産ビジネスに参入する上でのハードルを挙げつつ、物流不動産ビジネスの魅力について考えていこう。
大型化する物流不動産ビジネスに対応できるか?

第1話でも触れたが、近年の倉庫は大型化している。箱としての大きさだけでなく、投資の規模も大型化している。
ファーストリテイリング有明本部(東京都江東区有明)の例を紹介しよう。
ユニクロを展開するファーストリテイリングが、ダイワハウスとともに、ファーストリテイリング専用物流倉庫の建設、共同物流事業の開始を発表したのは、2014年10月のことだ。
約1万1000坪の土地に、延床面積約3万4千坪の倉庫──土地の取得価格は、421億7000万円(坪単価約384万円)、総事業費は約650億円のビッグプロジェクトだった。
余談だが、当時の国土交通省による地価公示を確認すると、有明3丁目(東京ビッグサイトの裏手付近)の坪単価は28万8000円ほどである。土地の取得価格について、公示価格を元に単純に論じることは危険なのだが、それにしてもあまりに相場感とは乖離している。このプロジェクトに対し、当時、東京湾岸地域での物流不動産ビジネス展開を考えていたある方が、「こんな価格で土地を取得されたら、たまったもんじゃないな……」とぼやいていたことを思い出す。