観光は今こそ「平和産業」という原点に立ち返るべきだ コロナ&ウクライナ戦争で改めて痛感した思いとは【リレー連載】平和産業としての令和観光論(1)

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コロナ禍や世界各地の戦争を乗り越え、観光が平和と国際協力に与える影響を探るリレー連載。異文化理解や対話の促進を通じて、観光は「平和産業」としてどのような役割を果たすべきかを検証する。

悪化を続ける観光公害

有名観光地のイメージ(画像:写真AC)
有名観光地のイメージ(画像:写真AC)

 観光は「平和産業」である。このようにいうと、「平和でなければおちおち観光などできるわけがない、当たり前だ」と思われるだろうが、そのとおりだ。

 直近では、ガザ地区の武装勢力とイスラエル軍との間で交戦がはじまり、10月10日には外務省が、次のように危険レベルを引き上げた。

・ガザ地区及び同地区との境界周辺:危険レベル4(退避勧告)
・従来の危険レベルが1の地域:危険レベル2(不要不急の渡航中止)

 もちろんウクライナも、ロシアによる侵攻を受けて以来、危険レベル4(退避勧告)が続いている。また、戦争だけではなく、新型コロナウイルス感染拡大時における大規模な移動制限、地震など自然災害発生時など、世の中が平穏でなければ観光すらできないのは記憶に新しい。

 一方で、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)が落ち着いてからというものの、観光旅行が息を吹き返し、日本だけではなく世界各地でオーバーツーリズム(観光公害)という問題が発生している。

 平和でなければ観光できない――しかし、観光が盛んになると地域住民にとっては迷惑このうえなくなる。このようなジレンマは、平和を前提とした

「受け身の観光」

にかたよっていることから生じているのではないだろうか。

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