観光は今こそ「平和産業」という原点に立ち返るべきだ コロナ&ウクライナ戦争で改めて痛感した思いとは【リレー連載】平和産業としての令和観光論(1)
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平和を創造する手段としての観光

さまざまなあつれきをもたらしている消費するだけの観光にかたよっている現状を改めて、相互理解を通じて平和を創造する手段としての観光を拡大していかなければならない。
見る、食べるだけでなく、アグリツーリズムなど、地域の住民と交流する観光を活性化するのもひとつの方法だろう。
また、町おこしイベントや交流イベント、あるいは観光通訳は、地域のボランティアではなく対価をきちんと受け取って収入につなげる必要がある。
おもてなしは無料ではいけない。収入源となるからこそ、観光に積極的に参画する住民が増え、一部の業界のためだけの観光から抜け出せるだろう。さらには、もてなしの対価を受け取るならクオリティーを上げなければならないと、イベントやおもてなしそのものが良い方向に向かう可能性もある。
2025年までに2019年の水準(3188万人)を超えるという、訪日外国人旅行者数の政府目標がある。2023年9月末時点で約1700万人となっており、今後さらに旅行客が増えるのかというゲンナリ感が漂うばかりだ。むやみに観光客数を追うのではなく、観光の“質”を求めるときがきているのかもしれない。
最後に、前述の観光立国推進基本法の前文を貼る。
「観光は、国際平和と国民生活の安定を象徴するものであって、その持続的な発展は、恒久の平和と国際社会の相互理解の増進を念願し、健康で文化的な生活を享受しようとする我らの理想とするところである。また、観光は、地域経済の活性化、雇用の機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたりその発展に寄与するとともに、健康の増進、潤いのある豊かな生活環境の創造等を通じて国民生活の安定向上に貢献するものであることに加え、国際相互理解を増進するものである」
今こそ、観光は「平和産業」であるという原点に立ち返るべきだろう。