京都は「観光公害」を乗り越えられるか? 海外ではもはや“侵略”扱い、日本でも「流入抑制」が必要だ

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コロナ感染拡大前の2019年の訪日外客数は、2010年代初頭と比較して4倍近い規模にまで拡大している。そのため、すでに大型観光地ではその弊害が見られている。オーバーツーリズム(観光公害)である。

インバウンド増加と各種トラブル

京都の観光客イメージ(画像:写真AC)
京都の観光客イメージ(画像:写真AC)

 オーバーツーリズム(観光公害)とは、その地域の受け入れが可能な人数を超えて観光客が流入することで、それによって地域ではさまざまなトラブルが起きる。

 近年、日本ではインバウンド(訪日外国人)が急増しており、日本政府観光局(JNTO)によれば、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の訪日外客数は、2010年代初頭と比較して4倍近い規模にまで拡大している。そのため、すでに大型観光地ではその弊害が見られている。

 特にインバウンドに人気の高い京都では顕著であり、

・観光客による公共交通機関の混雑
・食べ歩きのゴミのポイ捨て
・私有地や撮影禁止エリアへの写真撮影のための不法侵入
・竹林への落書き・破損
・文化の違いによるルール・マナー違反

などのトラブルが起きている。公共交通機関の混雑は地域住民の生活に直接的に影響を及ぼすもので、観光客が路線バスに大型の手荷物を持ち込んで乗り込むため、地域住民がバスに乗車できないという事態が起きた。

 また、花見に外国人が殺到し安全管理ができなくなったことから、祇園白川のライトアップが中止されたことは有名で、花見では

・写真撮影に夢中で人の邪魔になる
・花の枝を折る

などマナー違反が横行した。写真撮影のトラブルは多く、許可なく、人の邪魔になって舞子さんを撮影するマナー違反も問題視された。さらにイタリア・ヴェネチアと同様に観光開発によって地価が高騰しており、一般の人が住めない状況になりつつある。

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