「水陸両用作戦」の真髄! 多様な任務に対応する圧倒的能力、それを支えるロジスティクス戦略とは

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戦争のあらゆるスペクトラムに対応できる水陸両用作戦。その際のロジスティクスの重要性について考える。

水陸両用作戦のロジスティクス

 次に、水陸両用作戦の段階(フェーズ)についても簡単に触れておこう。通常、水陸両用作戦は五つの段階から構成される。すなわち、

1.計画と準備
2.戦闘地域への前進
3.上陸前の諸作戦
4.海岸の確保
5.確定と活用

である。

 そのなかでも特に水陸両用作戦は、慎重な「計画と準備」があるか否かによって、その結果が大きく左右されることになる。なぜなら、とりわけ多くの軍種や兵科の統合(協同)および調整、時として同盟国との連合が求められるのが水陸両用作戦であるからである。

 ノルマンディ上陸作戦は、その成功例といえよう。確認するが、そこでは当初、海上から多国籍の5個師団が上陸し、それに加えて3個空挺(くうてい)師団がこの上陸部隊の両側面および敵軍背後の重要地点を確保する目的で投入された。

 そして、こうした大規模な軍事力行使を支えるためにロジスティクスの役割が重要となり、具体的に案出された措置のひとつが人工の港湾あるいは埠頭(ふとう)「マルベリー」であった。これを英仏海峡を移動させ、ノルマンディ海岸に設営したのである。

 では、水陸両用作戦におけるロジスティクスの重要性について、その特徴を具体的に挙げておこう。作戦の様相がいかに変化しても、ロジスティクスの重要性は全く変わらないからである。

 水陸両用作戦のロジスティクスは、いわゆる「戦術的積み込み」あるいは「戦闘積み込み」を行う必要がある。理想としては、それぞれの積み荷――輸送艦――が自己完結性を備えていた方が良い。そうであれば、それぞれの輸送艦内の軍事力は、「強襲」において自律的に行動できるからである。言い換えれば、仮に敵の攻撃によって輸送艦の1隻が失われたとしても、残りの軍事力で十分に対応可能であり、それが、作戦全般に悪影響を及ぼさないことが重要なのである。

 第1次世界大戦のガリポリ上陸作戦では当初、水陸両用作戦部隊は「戦術的積み込み」を行っていなかった。他方、ノルマンディ上陸作戦では、ある程度の「戦術的積み込み」がなされていたことに加えて、この作戦全体を支えるロジスティクスをめぐる課題の多くは、その計画段階において前述の「マルベリー」によって解決を見ることになった。

 実は、1942年のディエップへの「襲撃」で直接的な上陸によって港湾を確保することがいかに困難であるかが実証されたため、その後のノルマンディ上陸作戦では、移動可能な「マルベリー」が考案されたという。この作戦ではさらに別の方法として、「PLUTO」と呼ばれる海底石油パイプラインも活用された。

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