「水陸両用作戦」の真髄! 多様な任務に対応する圧倒的能力、それを支えるロジスティクス戦略とは
作戦の機能

また通常、水陸両用作戦の一般的なカテゴリーあるいは機能として、次の四つが挙げられる。すなわち、
1.強襲
2.襲撃
3.撤退
4.示威
である。さらに近年では、第5のカテゴリーの重要性が指摘され始めたが、それは、
5.その他の作戦への(水陸両用)支援
と呼ばれる。
第1の水陸両用「強襲」の事例として、第2次世界大戦のノルマンディ上陸作戦、1942年の北アフリカ上陸作戦、1943年のシチリア島上陸作戦などが挙げられる。
第2の水陸両用「襲撃」で最も知られるものとして、1942年のフランスでのイギリス軍およびカナダ軍によるディエップ上陸作戦が挙げられる。第1次世界大戦、1918年4月のゼーブリュッヘに対するイギリス軍の上陸作戦もそうである。
第3の水陸両用「撤退」には、1915~16年のガリポリ、1940年のダンケルク、1941年のクレタ島、1950年の朝鮮戦争などが挙げられる。また1975年、ヴェトナムのサイゴンから最後のアメリカ国民の撤退は、海軍艦艇から飛び立ったヘリコプターの活躍によるところが大きい。さらに、1995年のソマリアからの国連平和維持軍の撤退は、水陸両用作戦用艦艇によって実施された。
他方、太平洋戦争中、日本によるガダルカナル島からの撤退は、1943年2月に3回に分けてそれぞれ駆逐艦20隻を用いて実施されたが、陸軍9800人、海軍830人撤退に成功している(テレビドラマ「ザ・パシフィック」)。
第4の水陸両用「示威」であるが、おそらくこれが最も成功した事例は、1991年の湾岸戦争でアメリカ海兵隊および同国海軍が実施したものであろう。
第5の「その他の作戦への(水陸両用)支援」であるが、1990~2010年にかけてアメリカによって実施された107回の水陸両用作戦のなかで、実に78回の作戦がこの「その他の作戦への支援」というカテゴリーに入るとされる。