「日本に追いつけ、追い越せ」はいずこへ? ヨーロッパの高速鉄道がこれまでの“スピード競争”をあっさり捨てたワケ
かつて新幹線と“スピード競争”を繰り広げたヨーロッパの鉄道において、高速化一辺倒の時代は終わりを告げた。その背景を解説する。
中国が台頭

このようにヨーロッパでは、競争にも似た高速化一辺倒の時代は終わりを告げ、最適な速度での運転へかじを切りつつあるが、20世紀までの日本vs.ヨーロッパという流れに取って代わる形で、21世紀に入るとそこへ中国が名乗りを上げた。
高速列車の自国生産が失敗に終わった後、日本やヨーロッパのメーカー4社から次々と高速列車技術を輸入、2007年に最初の高速鉄道を開業すると、その技術を取り込んで次々と新型車両を開発。最新のCR400AF/BF型では設計最高速度400km/h、営業最高速度350km/hと一気に日本とヨーロッパを抜き去った。中国は自国生産による世界最速の鉄道技術と誇り、後にインドネシアへ初の輸出に成功している。
中国でさらなる高速化が実現できたのは、広大な土地と都市間距離の長さ、新線建設の際の土地強制収用が容易で直線区間を長く取れることなど、高速化に有利な条件がそろっていたことも背景にある。
2023年現在、営業最高速度(鉄車輪使用)では350km/hの中国がトップに立ち、それに320km/hのフランスと日本が続く形だが、東北新幹線では360km/h運転実現のため、現在試験車両ALFA-Xでテストが続けられている。
札幌延伸時には360km/h運転が実現する可能性があり、再び日本が世界最速の座に就く可能性があるかもしれない。