「窓が汚くて駅名が読めない」 日本では考えられない、そんな列車がある国とは?

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海外の鉄道車両は日本ほどきれいに扱われているとは言えないものが多いが、例外もある。ヨーロッパの中で、鉄道車両がきれいな国とそうではない国とを紹介する。

日本との大きな違い

汚れで外が良く見えないドイツのICE。汚れがひどすぎて落書きも(画像:橋爪智之)
汚れで外が良く見えないドイツのICE。汚れがひどすぎて落書きも(画像:橋爪智之)

 日本の鉄道は、どこの都市の列車に乗っても、それがJRであれ私鉄であれ、車内外ともだいたいは清掃が行き届いている。窓はきれいに拭かれ、座席や手すり、つり革に至るまできちんと掃除され、汚れていて困るということはほとんどない。日本人の美徳でもある、物は汚さず丁寧に扱うという乗客側の意識も手伝ってか、どの列車もきれいな状態を保っている。

 こうした、公共の場所をきれいにして、物は丁寧に扱うという考えは、日本の伝統的な倫理観や道徳によるもので、世界的には珍しいと筆者(橋爪智之、欧州鉄道フォトライター )は考える。子供たちが自らの手で学校の校内を清掃し、清掃員がいないことが世界で驚かれている、という話をよく聞くが、こうした教育も関係しているのではないかと思う。

 残念ながら、海外の鉄道車両は日本ほどきれいに扱われているとは言えないものが多い。これは、乗客の扱い方が日本のように丁寧ではないという面もあるし、メンテナンスそのものが十分ではないという理由もある。ただし、例外もある。

 ヨーロッパの中で、鉄道車両がきれいな国とそうではない国とを見ていこう。

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