クルマ社会のデメリットは「渋滞」だけじゃない! 日本に公共交通が必要なのは「住民の足を守る」以上のメリットがあるからだ
公共交通は単に「住民の足を守る」ためだけに必要なわけではない。その理由を解説する。
「足を守る」から持続可能な地域づくりに
![プラハのLRT(画像:写真AC)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2023/01/230119_koukyoukoutuu_05.jpg)
地方圏では、鉄道やバスの存続自体が問題になっており、高齢者の「足を守る」ために国土交通省も「輸送手段の総動員」といった言葉を用いて、問題解決にあたろうとしている。
しかし、公共交通に関していえば、その役割は最低限の「足を守る」だけではない。サービスが改善され、個々人が自ら自動車以外の移動の選択肢を持つことができるようになれば、個々人の生活のクオリティーも高まるし、外部経済効果を最適化することで、社会全体にもプラスの効果がある。実際、欧州は、GX戦略の柱として公共交通への投資を加速させ、さらには、運賃の値下げも行ってきた。
自動車は現代社会において不可欠である。けれども、だからこそ脱炭素、さらには燃料費高騰、化石燃料の節約という条件の中で、公共交通と自動車のバランスを見直し、単に「足を守る」ためだけではなく、豊かで持続可能な地域づくり・まちづくりを実現するための交通政策が求められる。