クルマ社会のデメリットは「渋滞」だけじゃない! 日本に公共交通が必要なのは「住民の足を守る」以上のメリットがあるからだ
公共交通は単に「住民の足を守る」ためだけに必要なわけではない。その理由を解説する。
地方はいまだ「クルマ社会」
先日、那覇市に行く機会があった。10年前に来た時に比べると、モノレールが延伸され、バスターミナルも一新された。しかし、人口80万人を超えながら、モノレール以外に鉄軌道のない那覇都市圏はクルマ社会である。うわさでは聞いていたが、平日の夕方は渋滞で大混雑であった。
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そのような状況は、地方圏の中核市クラスでも同様である。こちらは鉄道があっても、民間事業としては収支が合わず、サービス水準は高くない。鉄道の輸送力が生かされないまま、ピーク時の慢性的な渋滞が発生している。
こうした問題が顕在化しているにもかかわらず、いまだに手が打てない理由のひとつは、「外部経済」あるいは「外部不経済」、つまり、個々の事業者やドライバーは気が付かない社会全体への影響を、しっかり制御できていないからである。