クルマ社会のデメリットは「渋滞」だけじゃない! 日本に公共交通が必要なのは「住民の足を守る」以上のメリットがあるからだ

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公共交通は単に「住民の足を守る」ためだけに必要なわけではない。その理由を解説する。

先進国の中で圧倒的に負担が軽いガソリン代

給油のイメージ(画像:写真AC)
給油のイメージ(画像:写真AC)

 国も上記のような社会的コストを全く無視しているわけではない。例えば、ガソリン代には、地球温暖化対策のための税金などが加算されている。ドライバーの中には、昨今の燃料費高騰もあって、ガソリン代が非常に高いと感じる人も多いと思う。

 しかし、経済協力開発機構(OECD)加盟国35カ国でみると、日本の小売価格は28位、税負担率でみても29位と極めて低い。このデータはウクライナの問題が発生する前のことであり、その後、海外ではガソリン価格が急騰する中、日本はこれまでに3兆円を超える補助金でガソリン代の抑制を図ってきた。市場の警告を無視した化石燃料への支援である。数億円、数十億円の欠損で公共交通の経営が行き詰まっている中、日本の自動車に対する政策はあまりにも手厚い。

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