西武池袋「ヨドバシ出店反対」 豊島区長の決意にひそむ“来春任期満了”という焦燥感

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豊島区の高野之夫区長が、西武百貨店池袋本店の低層階にヨドバシカメラが出店することに反対を表明したことが話題になっている。その背景にはいったい何があるのか。

注目される高野区長の進退

池袋LRTのイメージ。路線長2.1km(画像:国土交通省)
池袋LRTのイメージ。路線長2.1km(画像:国土交通省)

 これまで豊島区は、池袋のまちづくりに精魂を費やしてきた。特に、東口側は長年の思いが積もっている。だからこそ、今回の1件は看過できなかったに違いない。その心情は察するものはある。

 とはいえ、都市・街は生き物と同じで絶えず新陳代謝を繰り返しながら進化していく。取り巻く社会環境や人々の意識が変わることで、都市・街が想定外の方向へと突き進むことは決して珍しい話ではない。

 池袋LRTが進まないのに後発のIKEBUSが実現してしまったように、想定通りに都市や街が動くことの方が圧倒的に少ない。

 高野区長は6期目で、来春3月に任期が切れる。高野区長は区長1期目に「区長を務めるのは2期8年」といっていた。それを翻し、すでに4期もオーバーしている。やり残した課題があるとの理由で続投を訴えるのは、さすがに無理がある。また、次の選挙は85歳で迎えることになる。それらを考慮すると、7期目の出馬は考えづらい。

 副都心・池袋の針路ともなる西武池袋本店問題は、高野区長の最後の課題になるのか。それとも後任の区長に任せることになるのか。

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