ヨーロッパの空港で「欠航」問題が深刻! さらにはストライキも発生、同様の事態は日本でも起こりえるか

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ヨーロッパの航空業界は今、かつてないほどの深刻な問題を抱えている。いったい何が起きているのか。

非常事態の欧州航空業界

ヒースロー空港に並ぶブリティッシュ・エアウェイズの便(画像:シカマアキ)
ヒースロー空港に並ぶブリティッシュ・エアウェイズの便(画像:シカマアキ)

 ヨーロッパの航空業界は今、かつてないほどの深刻な問題を抱えている。運航便の相次ぐ欠航や大幅遅延、預け手荷物の未着だ。

 これまでも、ヨーロッパでこれらのトラブルに遭うことは日本と比べると多かった。しかし今はその比でなく、一時は連日ニュースとなり、現在も完全解決には至っていない。終末パニックSF映画の大作『アルマゲドン』ならぬ「エアマゲドン」とも呼ばれている。

 しかも、従業員のストライキも起きている。ただでさえあらゆる事態がパンクしているところ、その混乱に拍車をかける状況だ。一連のしわ寄せは利用客がかぶり、航空会社や空港などへの不満やクレームが殺到している。

 新型コロナウイルス禍で、世界中の航空業界は多大な影響を受けた。しかし今回のような混乱はヨーロッパにほぼ集中し、他の地域では今のところ見られない。なぜこれほどまでに混乱が続くのかは、ヨーロッパならではの航空事情も一因だ。

入国緩和で旅行客が急増、対応追い付かず

スイス・チューリッヒ空港の手荷物作業。2022年4月(画像:シカマアキ)
スイス・チューリッヒ空港の手荷物作業。2022年4月(画像:シカマアキ)

 現在のヨーロッパの主要空港で起きている一連のトラブルは、従業員の大量解雇が原因だ。新型コロナウイルス禍で運航便の数が激減し、航空会社や空港では大規模なリストラが行われた。コロナに限らず、需要が減ったことによる突然の解雇は、海外では珍しくない。

 そして、2022年春ごろから、ヨーロッパ諸国が次々と入国規制を緩和。以前とほぼ変わらないフリーパス状態で、旅行客も戻ってきた。この動きが航空業界の予想よりはるかに早かったのが、ひとつの「誤算」だったかもしれない。

 新型コロナウイルス禍の2年あまり、海外旅行が実質できない状況が続き、ストレスを抱いた人々は多かった。夏の休暇時期より早く、4月半ばのイースター(復活祭)の頃から、ヨーロッパの主要空港では混雑が始まっていた。

 当時は欠航こそまだ少なかったものの、出発時のカウンターは長蛇の列となり、預けた荷物の受け取りに到着から1時間以上かかっていた。その1か月あまり後の6月には、空港としての機能がパンク状態に陥った。

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