JALが7年ぶりANAに勝利! コロナ禍の旅客数、浮き彫りになった決定的な「両社の差」とは
JALが国際線で7年ぶり首位
新型コロナウイルス禍によって多大な影響を受けた日本発着の国際線が、やっと再開し始めた。路線数や便数などを見ると、以前とはほど遠い状況だ。ただ、この2年余りで大きく変わったことがある。そのひとつが、全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の旅客数が逆転したことだ。
JALの2021年度の国際線旅客数は、89万2471人と発表された。一方、ANAは82万5524人。JALがANAを抜いてトップに立つのは2014年度以来で、7年ぶりとなる。
実は、JALがANAを旅客数で逆転したのは国際線だけではない。国内線でも2021年度、JALが約1624万人、ANAが約1523万人。2019年度まではANAがトップだったが、2020年度にJALが逆転した。
コロナ禍という、近年まれに見る事態が起きたこの2年余り。航空業界も生き残りをかけた厳しい経営を強いられている。そんななか、なぜ両社の旅客数が逆転する事態となったのか。
フラッグシップキャリアと言えばANAとJAL
日本には、ANAとJALというふたつのフラッグシップキャリア(大手航空会社)がある。海外では、
イギリス:ブリティッシュエアウェイズ
フランス:エールフランス航空
オーストラリア:カンタス航空
タイ:タイ国際航空
など、「1国1社」のパターンが多い。隣の韓国も現在2社あるが、大韓航空がアシアナ航空を近く吸収合併することが決まっている。
国際線、国内線ともにJALが長らく日本のトップに君臨していた。しかしJALは2010(平成22)年1月19日、会社更生法を申請し、事実上経営破綻。これを機に、JALは新規路線の開設を制限された。
一方、ANAは羽田空港の再国際化もあり、国際線で次々と路線ネットワークを広げた。ANAの国際線定期便の開設は1986(昭和61)年と、歴史はそう古くない。2015年度にANAは国際線旅客数でJALを逆転。2020年度までずっとトップを守り続けてきた。