飛行時間の増加で疲弊する乗員・乗客 「ロシア上空回避」はいったいいつまで続くのか

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ロシアによるウクライナへの武力侵攻は、旅客および貨物の発着便に多大な影響を及ぼしている。現在、多くの航空会社がロシア上空を迂回する飛行ルートに変更。飛行時間が長くなると、搭載できる貨物の量が減る。

日本~ヨーロッパ間のルートが大幅変更

フィンエアーはロシア上空を飛行できなくなったことで影響が大きい(画像:シカマアキ)
フィンエアーはロシア上空を飛行できなくなったことで影響が大きい(画像:シカマアキ)

 ロシアによるウクライナへの武力侵攻は、日本をはじめとする東アジア諸国とヨーロッパを結ぶ旅客および貨物の発着便に、多大な影響を及ぼしている。冷戦時代以降、ロシア上空を飛行するルートが一般的となり、距離・時間とも最短だった。しかし現在、飛行時の危険などを回避するため、多くの航空会社がロシア上空を迂回する飛行ルートに変更。ロシアの南を飛行する「南回り」、また北極圏を通過する「北回り」の各ルートでの運航となっている。

 ロシアがウクライナに侵攻した当初、各航空会社はいったんほぼ全便を欠航に。その後、通常より少ない便数で、より飛行時間のかかる迂回ルートに変更して運航再開した。ロシアとウクライナによる戦争はこう着状態にあり、先行きはいまだ不透明だ。通常ルートでの再開は早期的に見込めないとして、2023年3月までの欠航をすでに決めた航空会社や路線もある。

 同じ日欧間でも、航空会社や路線、また往路と復路でルートが違うケースも見られる。中には、直行便だけでなく経由便として運航する航空会社も。いずれにしても、通常より飛行時間が長くなってしまい乗員乗客ともに負担が増えている。価格高騰が続く燃料を考えても厳しい。航空券の運賃も高止まり状態が当面続きそうだ。

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