ネット通販だけじゃない! 人口減少の日本で「宅配件数」が増加してるワケ

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日本郵便の配達員が、施錠された郵便受けを勝手に開けて荷物を届けていた問題が報じられた。そこには日本における「宅配問題」の本質が透けて見える。

再配達問題を改善する現実的な二つの解決法

 しかし、いずれも利用者側の意識に頼っているだけに効果は限定的だろう。モラルに訴えたところで自分の腹が痛まなければ、安易な方に流れるのが人というものだからだ。

 ライフスタイルや世帯構造の変化は止められない。今後高齢化が進む日本では、宅配を利用する人も頻度も、ますます増えることになるだろう。

 他方、宅配現場を担う人の負担も考えなければならない。宅配事業の持続的な継続には、個人の意識に訴えるだけでは不十分だ。

 現実的な方法のひとつは、インセンティブを導入することではないかと筆者は考える。

 本来、サービスは無償で受けられるものではない。再配達もサービスである以上、再配達サービスの受益者が適正な対価を支払う必要があるだろう。そのためのコストを余計と感じるなら、受け取り側が受け取り方法を指定すればよい。

 もうひとつは、ドローンなどを活用した人を介さない配送の活用だ。

 ただし、日本でドローン配送はまだまだ実証実験の段階にあり、都市部など人口密度の高い地域での商用利用には多くの課題がある。また、ドローン導入のコストは誰が払うのかという問題もあるだろう。

 いまや宅配は社会インフラと言っても差し支えない重要な立場にある。いまの暮らしをこれからも続けていくために必要なのは、注意喚起やお願いによる意識変革ではなく、半ば強制的な仕組みとは言えないだろうか。