N-BOX「5年連続首位」──それでもホンダ最大6900億円赤字、国内独走・EV失速が映す“収益構造のねじれ” ネットの声から読む

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2026年3月期に最大6900億円の最終赤字を見込む本田技研工業。一方でN-BOXは2025年度に19万8893台を販売し5年連続首位を維持した。巨額のEV損失と国内ヒットの対比が、同社の構造的課題を浮き彫りにしている。

販売現場の強さと収益の乖離

N-BOX(画像:本田技研工業)
N-BOX(画像:本田技研工業)

 本田技研工業が突きつけられた現実は、あまりに重い。2026年3月期の連結最終損益において、最大6900億円という巨額の赤字に転落する見通しが明らかになったというニュースは自動車業界を揺るがした。前期の8358億円という黒字から一転、1兆円近い利益が吹き飛ぶ計算になる。上場以来、これほどまでに追い詰められた局面は記憶にない。

 一方で、足元の新車市場を眺めれば、別の景色が広がる。看板車種の「N-BOX」は2025年度に19万8893台を売り上げ、

「5年連続で国内販売の首位」

を守り抜いた。街を歩けば必ず目にするほどの支持を集め、現場の士気は決して低くないはずだ。

 しかし、この鮮やかな対照こそが、今のホンダが抱える歪みを象徴している。一台あたりの利益が薄い軽自動車をどれだけ積み上げたところで、世界規模の戦略が生んだ傷跡は塞がらない。電気自動車(EV)へのかじ切りにともなう最大2兆5000億円規模の損失。その巨大な穴を、国内のヒット商品だけで埋めるのは、もはや物理的に不可能な領域に達している。

 ネットの反応を見ても、冷ややかな視線と困惑が混ざり合う。「これほど完成度の高い車がありながら赤字に沈む皮肉」を嘆く声や、

「N-BOXだけで経営を立て直すのは無理がある」

という冷静なコメントが目立つ。消費者に愛される製品を世に送り出しながら、巨大な投資判断の波に飲み込まれていく。盤石に見えた経営の土台がこれほどまで脆く揺らぐ構図に、今のホンダが直面する本質的な苦悩が透けて見える。

 ここでは、読売新聞が4月6日に報じたN-BOXの記事に寄せられた多くのコメントを手がかりに、この光と影が入り混じる不安定な現状を読み解いていく。

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