「路線は小さいのに、なぜ成長?」全線開通100周年、京都の鉄道企業に隠れたもう一つの収益源とは
開通100周年を迎えた「嵐電」こと京福電気鉄道が、攻めの経営に転じている。新型車両導入やインバウンド需要で運輸業が営業利益39.5%増と躍進する一方、真の稼ぎ頭は利益率29%を誇る不動産賃貸業だ。営業利益の7割を不動産が支える独自の高収益体質を武器に、古都の足はいかにして持続可能な成長を描くのか。
嵐電北野線100周年と新型車両

嵐電(らんでん)の愛称で知られる京福電気鉄道(京都市中京区)の北野線は、2026年3月10日に全線開通100周年を迎えた。当日は北野白梅町駅で記念イベントを開いたほか、主要駅や沿線の神社仏閣などで沿線案内のパンフレットを5月下旬(予定)まで配布し、フォトコンテストを6月30日まで実施している。
また、2025年2月に導入した新型車両「KYOTRAM」1号車に続き、この日から2号車、3号車の営業運転を始めた。新型車両は2026年度から2028年度にかけてさらに4両を導入する計画だという。
同社が運営する叡山ケーブル・叡山ロープウェイも冬季運休を終え、3月20日に運転を再開した。こちらも叡山ケーブルが2025年12月20日に開業100周年を迎えたことを受け、ケーブル・ロープウェイともに内装デザインを全面的に改めている。
同社の鉄軌道事業と索道事業は、嵐山本線(四条大宮~嵐山間)7.2km、北野線(帷子ノ辻~北野白梅町間)3.8kmの計11kmに加え、叡山ケーブル1.3km、叡山ロープウェイ0.5kmで構成される。
営業キロは小規模だが、世界的な観光都市である京都市において、沿線には嵐山や太秦映画村など集客力のある観光地が多い。加えて、市内でも数少ない路面電車として景観面でも価値が高く、存在感は大きい。
近年の新型車両導入や施設更新には、京都で特に強まっている訪日客需要の増加が背景にあるとみられる。