N-BOX「5年連続首位」──それでもホンダ最大6900億円赤字、国内独走・EV失速が映す“収益構造のねじれ” ネットの声から読む

キーワード :
, ,
2026年3月期に最大6900億円の最終赤字を見込む本田技研工業。一方でN-BOXは2025年度に19万8893台を販売し5年連続首位を維持した。巨額のEV損失と国内ヒットの対比が、同社の構造的課題を浮き彫りにしている。

販売現場の台数重視の限界

全国軽自動車協会「軽乗用車の保有台数」(画像:Merkmal編集部)
全国軽自動車協会「軽乗用車の保有台数」(画像:Merkmal編集部)

 販売現場では、華々しい数字の裏側で、かつてないほどの歪みが広がっている。5年連続で国内の頂点に立った実績の裏で、この「首位」の座を死守するための代償は、決して小さくない。

 ネット上では、販売店の敷地や近隣の駐車場に、登録だけ済ませた新車が並んでいるという指摘がある。あわせて、販売現場では

「大幅な値引きや装備の無償提供を重ねないと売れず、利益がほとんど残らない」

という声があったというコメントも見られる。残価設定ローンの低金利キャンペーンやカーナビの付与など、販促を強めなければ販売首位を維持できない状況だとする見方もあり、現在のホンダの販売現場をめぐる実情として語られている。

 グループ全体で巨額の最終赤字を見込むなか、国内の稼ぎ頭が身を削って台数だけを追い求める姿は、経営の重荷以外の何物でもない。売れば売るほど現場が疲れ、会社全体の利益が薄まっていく。表向きの数字とは裏腹に、その足元は脆く不安定だ。

 もはや軽自動車は、この国の暮らしに欠かせない生活インフラといえる。N-BOXの強さは、今の日本人が使い勝手や維持費といった「実」を、何よりも重く見ている証左でもあるだろう。ネットには

「無理をせず生活に合ったものを選んでいるだけ」
「見栄より生活を優先せざるを得ない」

といった、切実な声が並ぶ。「税負担が軽いから選ばれている」という冷めたコメントもあり、制度に守られた市場である側面も否定できない。

 国内の新車販売に占めるEVの割合が、わずか1.9%にとどまっている現状がすべてを物語っている。多くの消費者は、理想よりも、今日の支出を抑えることを選んだ。見栄を捨て、生活を守るために選ばれるN-BOX。その販売実績は、この国の厳しさを増す生活条件に、極限まで寄り添った結果にほかならない。

全てのコメントを見る