純利益「1250億円」が吹き飛ぶ衝撃――ナフサ不足が突きつけた「自動車 = 石油化学製品」という現実、脱・中東依存は可能か

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ナフサ不足が末端を直撃した。福井ではシンナー在庫が2週間分に低下し価格は4倍、122社中4割が下方修正と利益1250億円減。燃料ではなく素材の供給が揺らぐいま、日本の製造業は根幹からの見直しを迫られている。

素材起点の産業構造

石油関連施設のイメージ(画像:Pexels)
石油関連施設のイメージ(画像:Pexels)

 ナフサという言葉を、日々の暮らしのなかで意識する機会はそう多くないはずだ。しかし今、この地味な存在が静かに注目を集めている。

 原油を精製する過程で生まれるこの軽い油は、いわば石油化学の「はじまり」だ。ナフサを分解し、加工することでエチレンなどの基礎的な化学品が作られ、そこからプラスチックや合成ゴム、塗料、繊維といった、私たちの周りに溢れる膨大な素材へと姿を変えていく。

 特に車というプロダクトとの結びつきは、想像以上に深い。車体の一部はもちろん、

・バンパーや内装に使われる樹脂
・足元を支えるタイヤのゴム
・塗装に欠かせない塗料やシンナー

に至るまで、製造から補修までのあらゆる工程がナフサの存在を前提としている。

 昨今の電動化の流れも、この傾向に拍車をかけた。少しでも航続距離を伸ばすために車体の軽量化が求められ、重い鉄から高機能プラスチックや炭素繊維への置き換えが加速したからだ。結果として、車を走らせるための工夫が、皮肉にも石油化学製品への依存をいっそう強めることになった。

 脱炭素が叫ばれ、燃料としての石油を減らそうとする動きがある一方で、素材としての需要はむしろ増し続けている。現在の車は、もはや「石油化学製品の集まり」と呼ぶほうが実態に近いのかもしれない。

 現代の移動を支える足元には、いつもこのナフサという基盤が横たわっているのだ。

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