純利益「1250億円」が吹き飛ぶ衝撃――ナフサ不足が突きつけた「自動車 = 石油化学製品」という現実、脱・中東依存は可能か
ナフサ不足が末端を直撃した。福井ではシンナー在庫が2週間分に低下し価格は4倍、122社中4割が下方修正と利益1250億円減。燃料ではなく素材の供給が揺らぐいま、日本の製造業は根幹からの見直しを迫られている。
流通末端で進む供給ひっ迫

石油化学への依存が生んだひずみが、いま流通の末端で表面化している。
福井県では、塗装に欠かせないシンナーが足りず、販売を制限する動きが出た。板金業者の手元にある在庫は、わずか「2週間分」にまで落ち込み、次にいつ入るかの見通しも立っていない。たとえ代わりとなる品が見つかったとしても、その価格は以前の4倍にまで跳ね上がっているという(『福井新聞』2026年4月5日付け)。
今回の事態が突きつけているのは、材料コストの上昇という話だけではない。補修作業が滞ることは、
「車の価値を支えてきた流通市場」
そのものを揺るがす恐れがある。適切な修理ができなければ、残価設定ローンの大前提である「車の価値を保つ」ことが難しくなり、中古車売買の仕組み全体に影を落としかねないからだ。
特に、コストを価格に転嫁しにくい下請け構造のなかでは、供給の停滞はそのまま事業の存続に直結する。本来はサービス業として扱われる板金業も、実態は石油化学の供給網(サプライチェーン)に深く組み込まれたパーツのひとつにほかならない。福井で起きた混乱は、その危うい結びつきを改めて浮き彫りにしたのだ。