日本の燃料電池車は「オワコン」なのか?――トヨタの孤独な闘いと、世界シェア43%のヒョンデ、中国も商用車追随の現実

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燃料電池車FCVの世界販売は2025年にわずか1万6011台。ヒョンデが42.9%のシェアを握る一方、日本勢はトヨタ7.3%、ホンダ1.2%に低迷。高コストとインフラ不足が普及を阻む中、国家戦略の再設計が巻き返しの鍵となる。

韓国の国家戦略

現代自動車グループ「水素ビジョン2040」(画像:現代自動車)
現代自動車グループ「水素ビジョン2040」(画像:現代自動車)

 韓国は「水素経済活性化ロードマップ」を軸に、国を挙げて水素社会への移行を進めている。2040年に620万台の生産体制を築き、1200か所のステーションを整備する計画だ。日本の目標を大きく上回る規模である。

 2024年10月時点で、韓国国内には約4万台の車両が走り、ステーションも192か所まで増えた。もちろん順調だったわけではない。2023年には水素価格の上昇やインフラ整備の遅れから、新規登録台数が前年の半分以下となる4000台余りまで落ち込んだ。

 この停滞期を乗り越えるため、ヒョンデは「水素ビジョン2040」を掲げた。乗用車以外の領域へ攻勢をかけている。バスやトラックの量産化に加え、鉄道、建設機械、さらには発電分野まで網羅する。水素の消費量を強制的に引き上げる構えだ。

 特筆すべきは韓国の水素価格。1kgあたり約1100円と、日本の約半分という世界最安水準にある。エネルギー資源の9割以上を輸入に頼る韓国にとって、水素はエコカーの燃料にとどまらない。国家のエネルギー安全保障の根幹だ。

 ヒョンデが建設機械や電車まで手を広げるのは、あらゆる産業で水素を使う環境を整え、インフラの採算性を強引に確保するためだろう。国策に企業が寄り添う形で進むこの垂直統合モデルは、市場の原理に任せて停滞する日本とは対照的なスピード感を生んでいる。

 韓国の戦略は明確だ。水素を移動の手段から社会全体の動力源へ置き換えることで、供給網のコストを劇的に下げる。この論理に基づいて動いている。

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