日本の燃料電池車は「オワコン」なのか?――トヨタの孤独な闘いと、世界シェア43%のヒョンデ、中国も商用車追随の現実

キーワード :
, , ,
燃料電池車FCVの世界販売は2025年にわずか1万6011台。ヒョンデが42.9%のシェアを握る一方、日本勢はトヨタ7.3%、ホンダ1.2%に低迷。高コストとインフラ不足が普及を阻む中、国家戦略の再設計が巻き返しの鍵となる。

トヨタの次世代燃料電池

箱根駅伝に提供されたトヨタ・センチュリーFCV(画像:トヨタ自動車)
箱根駅伝に提供されたトヨタ・センチュリーFCV(画像:トヨタ自動車)

 日本で水素戦略の立て直しが求められるなか、トヨタ自動車の役割は大きい。トヨタは2023年に発表した新技術をもとに、2026年の実用化に向けて次世代燃料電池の開発を急いでいる。

 この新型は商用車での活用を見据え、寿命の向上とコスト低減を追求する。スタックの費用を現行の半分に抑え、航続距離を2割伸ばす計画だ。水素エンジン車やバイオガスからの水素製造といった取り組みも加速させている。

 2026年の箱根駅伝では、センチュリーやクラウンなど計13台の車両を走らせた。技術の信頼性を国内外に印象づける狙いだ。特に先導車として走ったセンチュリーは視聴者に強い記憶を残した。こうした地道な活動は、技術を社会に定着させる土台になる。

 ただ、現実のビジネスは厳しい。2014年の初代モデル発売から10年以上が経過したが、累計販売台数は約3万台にとどまる。MIRAIの価格が700万円台から下がらない現状は、個人の購買意欲を喚起する水準に達していない。

 トヨタが開発を進める次世代システムは、自社製品の販売だけでなく、他社の商用車などへ心臓部を供給するビジネスへの転換を含む。自ら車両を売るモデルから、システムの供給元として世界標準を狙う形へかじを切れるか。これまでの巨額投資を回収できるかどうかの分かれ目だ。

 2026年に投入される新型システムがハイブリッド車に匹敵する経済性を示せるかどうか。トヨタが水素の未来を繋ぎ止められるかを見極める重要な局面になる。

全てのコメントを見る