日本の燃料電池車は「オワコン」なのか?――トヨタの孤独な闘いと、世界シェア43%のヒョンデ、中国も商用車追随の現実

キーワード :
, , ,
燃料電池車FCVの世界販売は2025年にわずか1万6011台。ヒョンデが42.9%のシェアを握る一方、日本勢はトヨタ7.3%、ホンダ1.2%に低迷。高コストとインフラ不足が普及を阻む中、国家戦略の再設計が巻き返しの鍵となる。

政府目標と現実の乖離

水素基本戦略等における達成目標(画像:経済産業省)
水素基本戦略等における達成目標(画像:経済産業省)

 経済産業省資源エネルギー庁は、2014年の「水素・燃料電池戦略ロードマップ」から2017年の「水素基本戦略」まで、壮大な計画を描いてきた。2025年ごろまでの利用拡大を第一段階とし、2040年には二酸化炭素を排出しない水素供給網を完成させる。三段階の工程だ。

 だが2019年に公表された目標値と実績の間には大きな隔たりがある。2025年に20万台、2030年に80万台を目指した普及台数は、2024年時点で8289台。目標のわずか4%にも満たない。

 水素ステーションも同様だ。2025年の目標320か所に対し、11月時点で148か所。半分以下にとどまる。ハイブリッド車並みの価格競争力を確保し、価格差を70万円まで縮める計画もあった。現状の800万円近い車両価格の前では絵に描いた餅だ。

 政府は2023年に戦略を更新したが、数値目標を据え置いたまま施策を続けている。この姿勢には疑問が残る。過去の投資を正当化するための現状維持に陥っているのではないか。

 ステーション数が1割減った事実は、民間事業者が運営コストの高さから将来の収益性を見限った証拠だろう。日本自動車工業会や水素バリューチェーン推進協議会の長を務めるトヨタ自動車の佐藤恒治社長にかかる期待は重い。だが官民が連携を強調するほど、行政が民間企業の自助努力に依存し、市場形成の責任を放棄している構図が浮かび上がる。

 数値目標だけが独り歩きし、実体経済がそれに追いつけない。国家的な計画の精度そのものが問われている。

全てのコメントを見る