「9連休でも帰省しませんでした」 LINEで両親の顔が見えるのに「わざわざ帰る」意味はあるのか? 令和の人間関係を考える
9連休でも6割が「予定なし」。年末年始の帰省は、もはや当然の行動ではなくなった。平均予算は約4.8万円と減っていないが、混雑や負担を避ける選択が広がる。移動の意味が変わるなか、日本社会とモビリティ経済はいま大きな転換点に立っている。
帰省慣習が揺らぐ現実

9連休という長さだった年末年始が明けた。筆者(本間めい子、フリーライター)が先日書いた年末年始の移動減少を分析した記事「「9連休でも帰りません」 年末年始の帰省、もはや“苦行”になったのか? 6割が「予定なし」を選択する、慣習の合理的終焉」(2025年12月27日配信)には、以下のようなコメントが多く寄せられた。
・正直、共働きだと連休は移動より家の片付けと休養を優先したい。
・帰省って、気持ちもお金も体力も想像以上に削られる。
・迎える側の準備や気遣いも、かなり負担になっていると思う。
・混んでいて高い時期に、無理して移動する意味を感じなくなった。
・最近は時期をずらしたり、短時間だけ顔を出す人が増えた気がする。
・ホテル泊や日帰りの方が、かえって関係がうまくいく場合もある。
・普段はスマホやビデオ通話で十分つながれていると感じる。
・正月の集まりも「当たり前」ではなく、選べるものになってきた。
・子育てや介護があれば、帰省の形が変わるのは当然だと思う。
・帰省が減ることで、地方や交通が心配という声も分かる。
・帰省文化自体、これから静かに変わっていくのではないか。
いずれも、年末年始の移動を当然視してきた社会規範に対する違和感や、生活実感に根ざした率直な声だった。
本稿では、その議論をさらに掘り下げる。その前提として、まず前稿で示した年末年始の移動をめぐる構造変化を整理しておきたい。前回の記事を未読の読者にとっても理解しやすいよう、そのとき用いたデータと分析を出発点として共有する。