「ディーラーに行くのは気まずい」 中古輸入車ファンの本音を突く、オートバックスの新戦略――55万台割れの逆風下「一貫した信頼」の正体
国内中古輸入車市場は2025年上半期、前年比1%減と微減傾向にある一方、総中古車は420万台と底堅く推移。高額化や情報不透明が参入障壁となるなか、オートバックスの専門店戦略が富裕層・愛好層の心理に応え、市場再編の可能性を示す。
変革期に求められる新たな流通の形

国内の中古輸入車市場は、これまでの慣習が通用しない新たな局面を迎えている。価格の高止まりや消費者のライフスタイルの変化は、従来の展示販売を中心としたビジネスモデルに再考を迫っている。しかし本稿で分析したとおり、輸入車が持つ本質的な価値を理解する層は確実に存在しており、その需要に応えるための専門店の台頭は市場に新しい風を吹き込んでいる。
今後の市場の行方を左右するのは、事業者がいかにして利用者の不安を払拭し、長期的な信頼関係を築けるかという点に尽きる。車両の高度な電子制御化や電動化が進むなかで、物理的な販売拠点としての魅力だけでなく、デジタル技術を駆使した車両管理や高度な整備インフラの提供が不可欠となる。利用者が求めているのは、所有することで得られる安全性や充足感の持続であり、その期待を裏切らない一貫したサポート体制が求められている。
オートバックスセブンをはじめとする新規参入プレイヤーの動きは、これまでのブランド別の縦割り構造を打ち破り、利用者の視点に立った自由な比較検討の場を創出しようとしている。こうした新しい流通の形が定着することで、中古輸入車市場は縮小を脱し、より透明性の高い、質のともなった成長へとかじを切ることができるはずだ。
変化を先取りし、独自の価値提案を構築した者こそが、これからの自動車流通において中心的な役割を担っていくことになるだろう。