「最新機能が多すぎて読めません」 クルマの取扱説明書、もはや“辞書”化? 8割以上が通読断念の現実か

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新車の高度化にともない、取扱説明書は厚さ数百ページに達し、通読率はわずか18%。紙の限界をデジタル化と動画マニュアルで克服し、検索性や更新性を高める取り組みが、メーカーの顧客満足戦略の要となっている。

車両高度化と説明書膨張

近年のクルマの「トリセツ」が分厚すぎる…(画像:写真AC)
近年のクルマの「トリセツ」が分厚すぎる…(画像:写真AC)

 新しいクルマに乗り換えると、まず目につくのは装備の多さである。キーを回す前から、メーター周りやセンターディスプレイには数多くのアイコンが並ぶ。運転支援や通信、エンターテインメントまで、精密機器のような制御体系が備わっているのだ。

 スマートフォンと連動するナビゲーションや音声操作に加え、自動ブレーキやレーンキープアシストなどの先進安全機能も、多くの車種で標準装備か選択可能になっている。こうした装備は、もはやごく一般的な存在として受け入れられつつある。

 一方で、この進化は思わぬ課題も生んでいる。それが

「取扱説明書の肥大化」

である。購入時に手渡される冊子を見ると、かつてより明らかに厚みを増している。運転操作だけでなく、安全装備の作動条件や通信・アプリ連携、トラブル時の対処まで、さまざまな場面を想定した情報が細かく記載されているのだ。

 なかには冊子が複数に分かれ、詳細な情報はデジタル版で確認するよう案内される車種もある。紙だけで操作を完結させることが難しくなってきているのだ。

 なぜここまで取扱説明書は厚くなったのか。本稿では、車両の高度化がどのように説明書の内容を拡大させたのか、その背景と要因を探る。

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