「ディーラーに行くのは気まずい」 中古輸入車ファンの本音を突く、オートバックスの新戦略――55万台割れの逆風下「一貫した信頼」の正体
国内中古輸入車市場は2025年上半期、前年比1%減と微減傾向にある一方、総中古車は420万台と底堅く推移。高額化や情報不透明が参入障壁となるなか、オートバックスの専門店戦略が富裕層・愛好層の心理に応え、市場再編の可能性を示す。
縮小する中古輸入車市場の構造的要因

日本国内の中古輸入車販売台数は、2023年度には約56万台だったが、24年度は約55万台まで減少し、25年度上半期(4月から9月)も前年比で1%減を記録するなど、緩やかな減少局面にある。
一方、中古車市場全体に目を向けると、2025年4月から11月までの販売台数は累計で約420万台に達し、活発な輸出需要にも支えられて堅調に推移している。これに対して同期間の新車販売台数は300万台に届かず、前年比で0.5%減と伸び悩み、7月以降は前年割れが続いている。新車市場が低迷するなかで中古車全体は底堅さを見せているが、輸入車に限っては独自の課題に直面している。
中古輸入車の足取りが重い背景には、円安や物価高騰を要因とした
「販売価格の高止まり」
がある。特に若年層や初めてクルマを所有しようとする層にとって、この価格上昇は心理的な抵抗感を強める結果となった。また新車市場では電気自動車(EV)への補助金制度が購入を後押しする一方、中古車にはそうした公的支援が乏しく、購入の動機づけが相対的に弱まっている点も看過できない。
さらに車両の電子制御化やソフトウェアの高度化が進んだことで、消費者が自らの知見で個体の状態を正確に見極めることが困難になっている。この情報の不透明さが、高額な買い物における失敗を避けたいという防衛本能を刺激し、中古市場への参入を躊躇させている側面もある。
現在、販売現場では収益構造の二極化が加速しており、デジタルツールを用いた緻密な顧客管理や良質な在庫を確保する独自の仕入れ戦略を持つ業者が利益を伸ばす一方で、旧来の展示販売に依存する業者は厳しい戦いを強いられている。