「ディーラーに行くのは気まずい」 中古輸入車ファンの本音を突く、オートバックスの新戦略――55万台割れの逆風下「一貫した信頼」の正体
専門店モデルの台頭と差別化戦略

中古輸入車の販売を活性化させるためには、輸入車を愛好するコア層が求める細かなニーズを的確に捉える必要がある。輸入車が支持される理由は、各ブランドが持つ独自の歴史や哲学に基づく差別化、洗練されたデザイン、そして卓越した走行性能にある。特にメルセデス・ベンツやBMWなどのドイツ車は、中古市場においても資産価値が維持されやすく、安定した需要が存在する。
こうしたこだわりを持つ層の受け皿として、これまでは正規ディーラーの認定中古車や総合的な中古車販売店が中心だったが、近年は
「特定のカテゴリーに特化した専門店」
が台頭し、市場再編のカギとして注目されている。
自動車用品大手オートバックスセブン傘下のバックスeモビリティ(東京都練馬区)は、2025年12月24日、埼玉県深谷市に中古輸入車専門の買取・販売拠点「オートバックスカーズ花園店」を開設した。約50台を展示する同社初の大型拠点であり、こうした専門性の高い店舗展開によって、既存の店舗形態では十分に応えきれなかった輸入車ファンの要望に寄り添い、新しい顧客層の開拓を狙っている。
バックスeモビリティの取り組みは多角的だ。中国のEV大手比亜迪(BYD)の正規ディーラーとして新車3拠点と中古車1拠点を運営するほか、韓国のヒョンデとも協業し、一部店舗にEVの試乗車や専用コーナーを設置している。
こうした戦略は、従来の内燃機関車を好む層と最新の電動化技術に関心を持つ層の両方を、ひとつの拠点で繋ぎ止める役割を果たしている。ブランドの枠組みを超えて多様な選択肢を横断的に比較検討できる環境を整えることは、情報収集能力の高い現代のユーザーにとって大きな利便性となる。オートバックスセブンはこうした専門性の高いラインナップを武器に、他店との差異化を明確に打ち出し、輸入車市場における影響力を高めようとしているのだ。