自動運転バスは本当に安全? 1.1億円超の高コスト・赤字リスクが示す「運用&統治」の辛らつ現実
自動運転バスは2032年に向け市場拡大が見込まれる一方、米国や日本で事故や実証中断が相次ぐ。車両価格は1台約1.1億円、財源の約9割は国費補助。技術より先に、安全・制度・採算の設計が問われている。
実証現場で揺れる自動運転のガバナンス
米国では、自動運転車の事故に対し、NHTSAや国家運輸安全委員会(NTSB)といった専門機関が主体的に関与できる体制が整っている。事故発生時には、原因究明から再発防止策の検討まで、一元的に対応する枠組みが機能している。
日本でも同様の組織は設けられている。国土交通省と交通事故総合分析センター内には自動運転車事故調査委員会が置かれ、事故原因の分析に加え、再発防止や研究開発への還元を目的としている。
ただし、実証実験の現場で発生するトラブルへの初動対応は、自治体に委ねられている例が多い。対応方針や判断基準は地域ごとに異なり、運用にばらつきが生じている。
自動運転バスは、地域交通が抱える複合的な課題を解決する手段として期待されている。だからこそ、安全な運用を前提とした共通ルールが欠かせない。地域差に依存した対応を続けるのではなく、国が主導して基準を整備する必要がある。