自動運転バスは本当に安全? 1.1億円超の高コスト・赤字リスクが示す「運用&統治」の辛らつ現実

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自動運転バスは2032年に向け市場拡大が見込まれる一方、米国や日本で事故や実証中断が相次ぐ。車両価格は1台約1.1億円、財源の約9割は国費補助。技術より先に、安全・制度・採算の設計が問われている。

商用化が先行する欧米の自動運転バス

 コロンバス市で起きた事故当時、車両の走行速度は時速約11.4kmにすぎなかった。低速での運行にもかかわらず、車内の安全装置が作動して緊急停止し、乗車していた女性が座席から転落した。自動運転バスにおける安全確保は、速度管理だけでは不十分であることを示した事例といえる。

 この事故を受け、フランスの小型車製造メーカーEasyMileは2020年5月15日、乗客安全強化計画を策定したと発表した。標識の追加や音声アナウンスの導入に加え、乗客に足を床につけ、手すりにつかまるよう促すため、安全オペレーターの訓練を強化した。これらの対策を条件に、乗客輸送の禁止措置は解除された。

 一方で、欧州では自動運転バスの商用運行が始まっている。2025年9月17日、トルコの商用車メーカーKarsanと米国のADASTECが共同開発した自動運転電動バス「e-ATAK」がスイスで正式に運行を開始した。九つの停留所を結ぶ全長2.5kmのルートを走るが、インフラ整備や遠隔操作機能の本格導入はなお進行中だ。安全面の運用が成熟したとはいい難い。

 欧州や米国では、大学キャンパスや都市部の移動手段として、また工場や空港内の輸送手段として、自動運転バスの大規模な実証実験が積み重ねられてきた。その結果、社会実装は着実に進んでいる。自動運転は手動運転に比べ、衝突事故や重大事故を約8~9割低減できるとするデータもある。ただし、運行実績が増えるにつれ、事故やトラブルの報告も増加している。

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