自動運転バスは本当に安全? 1.1億円超の高コスト・赤字リスクが示す「運用&統治」の辛らつ現実

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自動運転バスは2032年に向け市場拡大が見込まれる一方、米国や日本で事故や実証中断が相次ぐ。車両価格は1台約1.1億円、財源の約9割は国費補助。技術より先に、安全・制度・採算の設計が問われている。

通信インフラが左右する地方実装の現実

海外バスのイメージ(画像:Pexels)
海外バスのイメージ(画像:Pexels)

 愛知県を中心とする4社の企業グループは、2025年11月17日から12月5日にかけて、観光用大型バスを高速道路で自動運転させる実証実験を行った。社会課題の解決と産業振興を目的とし、2027年度までに最高時速80kmで走行可能な自動運転高速バスの社会実装を目指す取り組みだ。高速道路での自動運転バスは国内初とされ、関心は高い。

 ただし、ビジネスモデルの検討は十分とはいえない。実証結果を踏まえつつ、利用者や地域に受け入れられるかを丁寧に検証する必要がある。店舗のセルフレジとは異なり、バスは1台あたりの人員削減に限界がある。自動運転であっても人的役割を大きく減らすのは難しいのが実情だ。

 技術面では、高速道路は一般道に比べて走行環境が整っている。一方で、実運用には道路管理者やIT技術者との連携が欠かせない。交通と通信の両面で、運営体制の構築が問われる。

 一方、宮城県仙台市では2025年11月から2026年1月末にかけて、NTTドコモビジネスを中心とする企業グループが東北大学と連携し、2エリアで自動運転バスの実証実験を始めた。津波避難が想定される沿岸部と、通信が不安定になりやすい山間部を対象に、自動運転に必要な通信制御技術の有効性を検証している。

 この技術は、深刻化する運転手不足への対応に加え、津波や豪雪、凍結路といった高リスク地域での避難や日常の移動手段を支える可能性がある。ただし、ローカル5GやMECなど高度な通信インフラへの依存は、初期投資や運用コストを押し上げる要因にもなる。導入効果と費用のバランスを見極める視点が欠かせない。

 いずれの取り組みも、運転席にセーフティドライバーが同乗する自動運転レベル2にとどまる。実証内容は限定的だ。将来的には人が運転操作に関与しないレベル4を見据えるが、社会実装には国の法制度の整備が前提となる。実用化までには、なお時間を要するだろう。

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